ベーリックホール改修工事
the Berrick Hall (restore&utilization)



ベーリックホールは昭和5年(1930年)にJ.H.モーガンの設計により建てられました。
横浜市の歴史的建造物であるこの館を保存・活用するにあたって、
床やタイルなど建設当時の部分をできる限り残すと同時に
これまで何度も塗り替えられてきた壁や窓枠の色を当初のものに再現し、
オリジナルの復原に努めました。

居間
living room

パームルーム
palm room

食堂と配膳室
dining room & pantry

中央階段
the stairs

(左から)夫人寝室、主人寝室、令息寝室
bedrooms(Mrs.Berrick, Mr.Berrick and son)
壁の層を調査してみると、元々はフラスコ画の手法で仕上げられていたことが判明しました。2階の令息寝室の壁は当時と同じ手法で再現されています。独特の暖かな色合いで、とてもめずらしいものです。

1階廊下や2階バスルームのタイルの美しさも見所の一つです。今ではもう全く同じものを作ることはできません。


構造:木造2階建、地下RC造1階
建築面積: 283u
敷地面積:2,056u

バスルーム(ゲスト用)
bathroom


横浜市中区山手町72
開館時間: 9:30〜17:00 (7、8月は18:00)
休館日: 毎月第2水曜(休日の時は翌日)、年末年始
入館料: 無料


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設計・監理にあたって  臼井洋司 >

  洋館の保存・再生にたずさわることは、新しいものづくりとは異なる喜びや
  驚きに遭遇し、過去と未来の振幅の大きさを実感することです。
  見え隠れ部分の設計者や工事者の創意工夫、創建当時の時代背景、
  建主や居住者の家族像、界隈の移ろいや街の姿など、その情景が
  描き出されてきます。

  このベーリックホールも、建築家モーガンの巧さや美的センスが、
  金物やタイル、装飾の所々にみられ、壁の漆喰の重ね塗りにその変転を、
  またフレスコ塗壁の発見にはロマンを感じました。
  緑樹の合間に見える港、外国船の姿や汽笛、そして居室やベランダに立つ
  ベリック夫妻の姿が偲ばれるのです。

  この度も、過ぎしものをていねいに保存する心と、未来への送り出しの為に
  とまどいながらも真剣に取り組みました。
  多くの方々に大変お世話になりました。
  改めて、深く感謝申し上げます。
  そして、ベーリックホールが横浜らしさの象徴として、さらに永く生きつづけることを
  祈念いたします。