Hiroshi Usui

「3分間の体験」
(円空:その2)


(2006年6月)


いろは坂の若葉は靄に閉ざされ、中禅寺湖では靄の中に小舟が浮いていた。
以前、古川・国府の清峰寺で円空仏を息のかかる近さで拝したことはあったが、
今日の円空仏との出逢いには予想だにしなかった感謝と動揺があった。

清龍寺にて、不動明王、矜羯羅童子(こんがらどうじ)、制咤迦童子(せいたか
どうじ)(“咤”は“宀”を抜いた字)に拝する貴重な機会をいただいた。
三仏を囲むようにして、山田先生のお話をお聞きしながら身を乗り出し拝して
いたが、問題はその後だった。一人ずつ、3分間の撮影時間が与えられた。
自分は何をしたいのだろう。
撮影する他に、もっとしたいことがあるだろう。
手で触ったり、持ってもみたいだろう。
・・・
パニックしているうち、自分だけの3分間が近づいた。
顔は、手や足は、裏側からは・・・
結局、三仏の周りをカメラで追っかけて、終わった。

この三仏は見事でした。
木を生かし、自由に刻んでいる姿が浮かび、刀の動きが伝わってくるような
感動を覚えました。
このような時を与えてくれましたご住職はじめ皆様に深く感謝致します。


バックナンバー
2006年5月「喧噪と混合と邁進の街〜上海視察記〜」
2006年4月「清峰寺のおばあさんへ」
2003年10月「その後のキジバト」
2003年9月「珍客」
2002年4月「お伊勢参り」
2002年4月「成田さんち」

2001年4月「仔猫の話」