活動日記(12)

[ 旧モーガン邸を守る会主催・見学ツアー ]

2002年1月26日 くもり

建築家J.H.モーガンの自邸であった建物(藤沢市)の保存・活用を目指す「旧モーガン邸を守る会」の主催で行なわれた「現存するモーガンの作品と保存活用事例見学ツアー」に、飯塚と佐野が参加した。
今回は、モーガン作品として立教大学池袋キャンパス内4号棟、そして保存活用事例として自由学園明日館(F.L.ライト設計)を訪れた。


<立教大学池袋キャンパス内4号棟>
(設計:J.H.モーガン)

歴史的な趣きのある赤レンガの校舎郡の中にあって、他とは異なる印象を与えている4号棟。建物内部は高い天井とがっちりした建具で構成されている。外装や意匠のモチーフには、やはり現役で使用されている関東学院中学校との類似点が見られる。
「良い伝統を残す」という利用者の心遣いが感じられ、又、モーガンが学校建築に対して首尾一貫した考え方を持っていたことを改めて知った。



<自由学園明日館>
(設計:F.L.ライト)

住宅街の中に突如、日本でのプレーリーハウスの代表例である明日館が現れる。
敷地と建物のバランスがゆったりしていて、軒も低く、空間が草原を這う様を現しているようだ。

[ライトの建物の特徴が、構造上の欠点になっている]
・雨漏りに弱い
・床と地盤面が同じ位置 → 床下の湿気に問題あり
・2×4に近い構造ゆえ、屋根がたわみ、壁の上部が開く

[文化財を保存かつ活用するために]
・設備を中心に、活用に必要な個所を改善
・ダイニングホール以外の照明をあえて現代風のものにする
・使用目的を、各種学校としてだけでなく、パーティーや披露宴会場等の利用を含めた幅広いものとし、一般にも門戸を開く方針をとる

文化財保存の新しいあり方を示す、非常に興味深い存在である



「旧モーガン邸を守る会」とは

モーガンの設計による自邸が藤沢市に存在します。
彼の死後、何人かの人手に渡りましたが、幸いに今も創建時の姿をとどめています。
ですが、最後の持ち主が負債をかかえていたために、この建物は整理回収機構の管理下に置かれてしまいました。

1999年のモーガン邸実測調査に参加した建築士有志と、地元でモーガン邸のみどりを守ろうと運動してきた住民有志とが、
貴重な文化財であり又貴重な自然環境であるモーガン邸の保存と市民利用を求め同年に発足したのが、「旧モーガン邸を守る会」です。
敷地内の草刈りをしたり、モーガン作品の見学ツアーやシンポジウムを開催したりと、幅広くかつ地道な活動を続けられています。

2002年1月、財団法人日本ナショナルトラストが土地・建物を買い取る意向を示していることがわかり、現在も交渉が続けられています。
「意匠が優れているだけでなく、類を見ないほど独自で希少価値が高い」
「建築史のみならず、生活史、文化史、社会史においても大きな意義をもつ」
と言われる旧モーガン邸。モーガンの残してくれた貴重な文化遺産をどうすることが私たちの役目なのでしょうか。

→ 旧モーガン邸概要